電子機器開発の流れの中には回路設計と基板設計の2つがあります。回路設計は電子機器開発において最初に行うもの、基板設計は電子回路を基にし、抵抗やコンデンサ、半導体などの電子部品をプリント基板に実装するためのアートワーク設計が中心になります。回路図を基にしてプリント基板の設計は行わる事になりますが、アートワーク設計を経て、プリント基板に電子部品を実装、実機テストを行って開発は進められて行きます。しかし、電子部品には許容誤差などから電子回路通りに電子機器が動作しないケースも多く、その都度回路の変更を行い、必要に応じてプリント基板のアートワーク設計と電子部品の実装ならびに実機テストを繰り返すなど、電子機器開発に掛かる時間やコストは膨大なものとなります。
従来は、開発の大半を手作業で進めていました。現代ではCADが登場した事で回路設計に掛かる時間短縮やアートワーク設定に掛かるコストの削減なども可能になっています。さらに、電子部品の中でもICの登場は開発時間の短縮、コストの削減にも効果をもたらせるものとなっています。従来であれば複数の電子部品を組み合わせて電子回路を設計する必要がありました。
現代ではICを利用する事で、外付け部品の数を減らし、多機能の電子機器開発が可能になっています。これは回路設計の時間やコストの削減が出来ると同時に、電子機器の値段を下げる効果にも繋がって来ます。身近な電子機器はICが登場した事で価格が安く便利に利用出来る製品が増えているわけです。