電子機器の世界ではデジタル化が進展して来ました。このデジタル化によって、電子機器開発にノウハウ的ないわゆる擦り合わせ技術が不要となりました。これがコモディティー化と言われる現象で、技術力が比較的低い企業でも開発設計が容易となると共に、商品の差別化が困難となって来たのです。こうした電子機器のコモディティー化はパソコンや携帯電話で特に激しく、これが企業間競争を価格競争のみと言う状況を作って来たのです。
価格競争なら、当然人件費の安い中進国が、日本に比べて圧倒的に強く、これが日本の電子機器メーカーを窮地に追い込んで来たのです。さらに、こうした波は家電の主力商品であるテレビにまで及び、日本の家電企業を窮地に追い込んで来たのです。デジタル化によって、私達一般消費者は様々な恩恵を被っていますが、日本の家電や電子機器メーカーにとっては、企業の体質や商品ポートフォリオを変革する必要性に追い込んだのです。しかし、日本の家電や電子機器メーカーの技術力は世界的にも高く、コモディティー化した商品のウエートを落とし、高度な技術力と高い信頼性が求められる車載関連にシフトする事で活路を開こうとしています。
電子機器開発の変化が、電子機器メーカーの事業転換にまで追い込んで来たのです。高度な電子機器開発力を今後伸長する車載関連に注力する事で、日本の家電や電子機器メーカーが再びリーディング産業として復活してくれる事を期待して止みません。